2009年3月21日 (土)

もしアナタの目が見えなくなったら(3) - 追記:パワーシフト

前エントリ を書いて思ったことを追記。アルビン・トフラーのパワーシフトについて。

トフラーは著書「第三の波」でこのように記しています。

  1. 第一の波は、狩猟採集社会に対する農業革命(⇒採集のマス化)
  2. 第二の波は、産業革命(⇒生産のマス化)
  3. 第三の波は、脱産業社会(⇒情報流通のマス化)

また「パワーシフト」とは、生産において重視される要素の変遷であり、以下の通りです。

  1. 狩猟採集社会(筋力の時代)
  2. 農業革命・産業革命後の生産社会(財力の時代)
  3. 生産最適化の末に訪れる脱産業社会(知力の時代)

筋力の時代 ⇒ 財力の時代 ⇒ 知力の時代 と移り変わり、現代は知力の時代です。
ただ、情報化革命・IT革命を過ぎた現代は、単純に「知力」で補える範囲を超えた時代に入っています。

個人ではとても知り尽くせないほどの情報があふれ、必要な情報の取捨選択が必要な「感性」の時代。

ただ、「感性」最重視、では単なる変わり者として扱われます。
おそらく重要なのは、知力と感性のバランスをとれる「知性」でしょう。

トフラーのパワーシフトを補うならば、「筋力 ⇒ 財力 ⇒ 知力 ⇒ 知性 ⇒ 感性」と時代は移って行く。

現代は「感性の時代」への過渡期「知性の時代」になります。

「知性」とは、余りある情報を的確に選び活用できる能力。
では「感性」とはどんな能力なのか。

前エントリ で感じた五感をバランス良く活用できる社会が「感性の時代」であり、五感をバランス良く活用できる能力が「感性」になるんじゃないか。そんな風に感じました。

ちなみに、人間の感覚は五感にとどまらない らしいので、その先は「超感性の時代」とか「脱感性の時代」となるのかも知れません。

映画のマトリックスの世界は、「知力」を集約化し尽くした状態、と言えるでしょう。
対して、「知力」をバランス良く活用できる「知性」、そして、人間の感覚をバランス良く、有効に活用できる「感性」の時代。
それってどんな世界になるんでしょうか。

想像すると楽しみでもあり、さてその時代に自分が対応できるのか?と考えると、少し怖くもありますね。

 

【関連記事】
もしアナタの目が見えなくなったら(1) - DID(ダイアログ・イン・ザ・ダーク )を体験してみた
もしアナタの目が見えなくなったら(2) - 五感で一番重要なのは?
もしアナタの目が見えなくなったら(3) - 追記:パワーシフト

 

 

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もしアナタの目が見えなくなったら(2) - 五感で一番重要なのは?

DID - ダイアログ・イン・ザ・ダーク で、視覚を失ったらどうなるか、を体験しました。

体験して思ったこと。

  1. 五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)の中で、「一つ失う」としたら一番困るのは何だろう・・・?
  2. 五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)の中で、「一つしか残らない」としたら一番重要なのは何だろう・・・?

皆さんはどう思いますか?

私はこのように感じました。
(実際に何らかの障害を持つ方にとっては「何を甘えたことを考えてるんだ」と感じるかも知れません。ただ現状で五感に問題ない状態で感じた率直な感想です)

  1. なくなって一番困るのは「視覚」
  2. 一つしか残らないなら、やはり「視覚」

聴覚のみを失った場合、リスクは見えない方向から危険が近づいたときに気づけないこと。そして、聞こえてくる自然の音色や心地よい音楽に感動することができなくなること。なくなると感じ感動できなくなりますが、リスクについては他の感覚である程度は代替可能でしょう。
また、聴覚のみになった場合、働く上で(デスクワーク限定かもしれませんが)必要な情報を得られる量という意味で視覚の方が多く感じます。

触覚を失った場合、リスクは触れたことに気づけないこと。そして、心地よい感触を楽しめなくなること。これもリスクは他の感覚で代替可能です。
触覚のみになった場合、得られる情報量が少なすぎます。

味覚を失った場合、リスクは体に有害な食べ物に気づけなくなること。そして、美味しいモノを楽しめなくなること。有害な食べ物(命に関わるレベルで)に気をつける必要は、今のところ日本ではありません(これは恵まれた食環境ですよね)。
また味覚のみになった場合は誰かに養ってもらえなければ生活できません。

嗅覚を失った場合、リスクは有毒ガス、有害な臭いに気づけなくなること。そして、心地よい香りを楽しめなくなること。リスクについては周りに誰かいれば気づくことが可能です。
嗅覚のみになった場合、味覚と同様、誰かに養ってもらえなければ生活できません。

このように考えると、視覚から得られる情報量と汎用性・代替性は大きく、「一つ失った場合」「一つしか残らない場合」いずれにしても視覚が最も重要かな、と感じました。

また同時に思ったのは、「現代の生活は視覚に頼りすぎていないか」ということ。
視覚から得られる情報量が非常に多く便利なために、視覚をメインにした生活に偏りすぎているんじゃないか。そんな風にも感じました。

五感がバランス良く必要とされる生活。五感がバランス良く重要とされる仕事。
五感がバランス良く重要とされる社会ってどんな世界なんでしょうか。

今の時代、行き過ぎた歪みを感じることが多くなっている気がします。
行き過ぎない、そしてやり過ぎないバランス感覚。できることなら失わないように、時に歪んでいないか見直せるように生活できると良いですね。
そして五感はどれも大切です。健康には気を配り、体を大事に生活できると良いですね。

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